今みたいにプラスティックの素敵な歯ブラシがない時代、何で歯を磨いていたのかご存知ですか?おばあちゃんの昔話から、意外な歯ブラシをご紹介
トクサの歯ブラシ
子供の頃、戦争前後は物資が減収していろいろ難儀をしました。
日常品では、歯ブラシも思うように、手に入りません。
シダ、コケ系のトクサをご存知ですか。
昔はどこの家でも庭の片隅に生えていました。
茎は直立して土筆より少し太めの濃いグリーンで40センチくらいです。
細い棒でシャキッと立っていますが、姿は土筆に似ています
トクサで磨く方法と磨いた感想!
茎の表面が稲の葉のようにギザギザしているので、歯ブラシの代わりにしました。
歯医者にすすめられたわけではありませんが、誰言うとなくトクサで歯を磨く。
摘み取って、洗って、茎ごと持って普通に歯ブラシのように使う要領です。
ブラシほどの刺激はありませんが、歯磨き粉がなくても、お口がさわやかになったのは記憶に残っています
今では考えられませんが、思い出すと風流にも感じます
トクサには、歯磨き草という名前がついていた
お口に入れるものを、親が不用意に与えたかと思いましたが、トクサには「歯磨き草」と言うべつの名前があることを知りました。
やはり先人も使っていたかも知れません。
トクサは青竹に似た美しい樹形を持つ観葉植物でざらざらは天然のヤスリとして日本文化に根付いていました。
鑑賞したり、生け花の客材にも扱われ、また、古来、茎を煮て、乾燥させ、研磨としました。
「とくさ」〔砥草〕の名はこれに由来しているそうです。
紙やすりが一般的で木製品の仕上げ工程に使用されています。
茎を乾燥したものは、木賊〔もくぞく〕と言う生薬で、煎じて飲むと、目の充血や涙目に効くと言われています。
昔は、それなりに知恵があって、いろいろなものを利用していたのですね。
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